Home » Uncategorized » 伝説のNASCARレース「2003カロライナ・ダッジ・ディーラーズ400」

伝説のNASCARレース「2003カロライナ・ダッジ・ディーラーズ400」

2003 Carolina Dodge Dealers 400

アメリカでもっとも人気のあるモータースポーツとして真っ先に名前が上がるのが、NASCARです。800馬力を超えるエンジンを搭載したストックカーが、何台も連なってオーバルコースをひたすら周回するそのレース模様は、F1などに慣れた日本人にとっては少し異様ですらあるのかもしれません。しかし、一度でもご覧になっていただければ、その大迫力のレース内容にきっと魅了されることになるはずです。

そんなNASCARは既に70年以上の歴史を持つため、これまで幾多の名勝負を生み出してきました。今回はそんな中でも、NASCAR史上最高ともいわれる株玉のレースをご紹介しましょう。

伝説となった2003年ウィンストン・カップ・シリーズ第5戦

2003年ウィンストン・カップ・シリーズ(現在のモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ)の第5戦としておこなわれた「2003カロライナ・ダッジ・ディーラーズ400」は、史上に残る激戦として長く語り継がれることになります。3月16日にアメリカ東海岸南カロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイで行われたこのレースは、同レース場で行われた100回目のレースという記念すべきものでもあり、レース前から大きな注目を集めていました。

レースを序盤引っ張ったのはデイル・アーンハート・インクのシボレーを駆るデイル・アーンハート・ジュニア。中盤戦以降はヘンドリック・モータースのシボレーに乗ったジェフ・ゴードンがレースを引っ張りますが、残り僅かとなった269周目にラウシュ・レーシングのフォードに乗ったカート・ブッシュにトップを明け渡してしまいます。このままレースを終わらせたいブッシュでしたが、パワーステアリングに問題が発生。予選31番手のスタートながら、猛追を続けたPPIモータースポーツのポンティアックを駆るリッキー・クレイブンに追い上げられてしまいます。残り3周でついにブッシュに追いついたクレイブン。そこから2人は史上に残るデッドヒートを繰り広げます。最終ラップ、最後のコーナーで外に膨らんだブッシュに対して、クレイブンは内を突きます。そのまま2台は車体のサイドを激しくぶつけながら、ぴったりと並んでチェッカーフラッグを受けることになりました。結果はクレイブンが僅かの差で勝利。その差はなんと2000分の1秒という、NSCAR史上でもっとも僅差なものであったのです。