日本のトップフォーミュラの歴史の上に
スーパーフォーミュラの歴史は、日本のトップフォーミュラシリーズが積み重ねてきた歴史の上に成り立っています。まだF1という国際フォーミュラの最高峰が、日本にとって遠い世界だった時代の1973年。この年に日本のフォミュラ人気の底上げをするべく、全日本F2000選手権という日本のトップフォミュラシリーズが始まりました。これが1976年にFIAのF2規定変更を受け、全日本F2選手権となります。F2選手権9年の歴史の中で、最多5回のタイトルを取ったレーサー中島悟は、このF2選手権が終了すると同時にF1へとステップアップすることになりました。

ヨーロッパでは既にF2規定は廃止され、F3000規定に移行していたことに倣い、日本も1988年から全日本F3000選手権が始まります。このF3000選手権は、F1ブームやバブル景気が追い風になり、空前の活況を呈しました。ここから多くのF1ドライバーが巣立って行き、また芸能人なども参戦することで一般に認知されるようになったのです。
1995年、国際F3000が参戦コストを抑えるため行ったレギュレーション変更に同調できなかった国内レース関係者は、1996年フォーミュラ・ニッポンという名前で独自のトップフォーミュラシリーズを開始します。しかしバブル崩壊からリーマン・ショックへと繋がる景気後退で人気が低迷。改革の必要に迫られたフォーミュラ・ニッポンは、その目をアジアに向け、日本という枠を超えアジア最高のフォーミュラを目指すことになったのです。こうして2013年スーパーフォミュラは誕生したのでした。
スーパーフォミュラを支えるドライバーたち

- 山本尚貴:初代スーパーフォミュラチャンピオンであり、2018年のチャンピオン。まだ終了していませんが、2019年もチャンピオン最有力のドライバーです。2018年の活躍でF1に乗るためのスーパーライセンス条件を満たし、今後のF1への挑戦が期待されています。
- 中嶋一貴:2014年チャンピオン。父が元F1ドライバー中嶋悟というサラブレッドで、本人も2007年最終戦にF1デビューし2009年まで参戦しています。また2018、19年と2年連続でル・マン24時間レースの総合優勝クルーにもなっています。
- 石浦宏明:2015、17年のチャンピオン。2017年にスーパーライセンス発給資格を満たしましたが、年齢や金銭的な面、そしてF1にシートを持たないトヨタのドライバーだったため、現実的にステップアップは難しいと言われています。
スーパーフォミュラを支えるチーム

- チーム・トムス:2013年から3年連続でタイトルを獲得したチーム。2019年はVANTELIN TEAM TOM’Sとして、中嶋一貴、ニック・キャシディの体制で戦っています。
- セルモ・インギング:2016、17年のタイトル獲得チーム。2019年はJMS P.MU/CERUMO・INGINGとして、石浦宏明、坪井翔の体制で臨んでいます。
- コンドーレーシング:2018年のタイトル獲得チーム。ジャーニーズ所属の近藤真彦がオーナー兼監督を務め、2019年は山下健太、国本雄資の日本人二人体制です。
2020年スーパーフォーミュラ
まだ2019年シーズンが終わっていないのに気が早いですが、2020年のスーパーフォミュラについてのニュースを取り上げます。まず当初発表された開幕戦と2戦目の開催地が入れ替わり、初戦が鈴鹿、二戦目が富士へと変更になりました。また2戦目の開催日が1週間前倒しになっているのでお気をつけ下さい。そして今年大活躍した若きアレックス・パロウ選手の動向も気になりますね。さて2020年はいったいどんなシーズンが待っているのか。楽しみは来年の春まで取っておきましょう!